多摩美術大学大学院
Tama Art University Graduate Program
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2021年度「エクスペリメンタル・ワークショップ(EWS)」塩田千春特任教授
2022/08/25
ews
塩田千春特任教授 | Specially appointed professor Chiharu Shiota
2021年度の塩田千春特任教授のエクスペリメンタル・ワークショップが3月18日から30日まで行われました。単なるワークショップの領域を超えて、様々な分野の大学院生が、自身の制作にしっかりと焦点を絞って議論するための、ユニークな機会を得ることができました。特別講義や一対一の話し合い、ひたむきな制作時間の組み合わせを通じて、「境界の知覚」という今年度のテーマに呼応した作品に取り組みました。
小説家/詩⼈ 多和田葉子の特別講義 2022/3/21 時計回り:多和田葉子氏、塩田千春教授、建畠晢学長、久保田晃弘先生
塩田千春教授 2022/3/21の特別講義
集中ワークショップは、塩田教授の日本到着前に行われた、オンラインのオリエンテーションとイントロダクションから始まりました。その後塩田教授が来日し、まず著名な作家である多和田葉子氏の特別講義が開催されました。この講義を通じて、大学院生は教授陣の思いに耳を傾けるのみにとどまらず、学生一人ひとりが集中ワークショップのテーマに対してどのように認識し、反応したのかを、多和田氏と直接話す機会にもなりました。このダイナミックな議論は、その後10日間続く交流の、強固な基盤にもなりました。 今回の集中ワークショップは、共通教育棟地下一階のワークショップルーム、アートテーク3Fの多目的実習室や大学院講義室で開催されました。
アートテーク3Fの多目的実習室
共通教育棟地下一階のワークショップルーム
ワークショップの参加者が、アトリエの使用方法を決めるために集まって相談し、共有ワークスペースと個人用のスタジオスペースを、必要に応じて配置しました。その議論から、学生の大多数が、個々の制作に焦点を合わせながらも、気軽に話したりアイデアを共有したりできるオープンなワークスペースを作りたいことが明らかになりました。
ワークショップルームの共有作業スペース
塩田教授が学生とともに過ごした初日、全員がこの共有ワークショップルームに集まって多和田葉子氏の特別講義の内容を振り返り、テーマ全般について話し合いました。 ディスカッションはみるみる展開していき、ワークショップ参加者は、さっそく制作を開始することとなりました。
集中ワークショップの最初の対面の打ち合わせ
大学院生たちは早速、素材を試したり、アイデアを練りはじめました。
ワークショップルームで制作
コラボレーション
多目的実習室で制作
ワークショップの参加者は、利用可能なスペースを最大限に活用し、この特別な機会を利用して、制作を新たなレベルに押し上げていきました。その方法は学生一人ひとりによって異なりますが、新たな素材の選定、アートの新たな規律に向けた冒険、もしくはスケールのドラマティックな変化を通して、塩田教授の指導のもと、各参加者はさまざまな方法によって自らの限界を押し広げました。
多目的実習室で制作
10日間の集中ワークショップ最終日に開催される、2日間の公開講評会のためのインスタレーションに関する話し合いと準備
ワークショップの中心的支柱となったのは、塩田教授との個人面談でした。集中ワークショップの各参加者は全員、塩田教授と一対一で1時間以上話し合い、自分たちの制作テーマとその動機を深く掘り下げ、今回のワークショップだけでなく、その先に進むべき道を探りました。
塩田先生との個人面談
集中ワークショップは最後の公開講評会で最高潮に達しました。
公開講評会で行われた参加学生によるパフォーマンス
2日間に渡って講評会を展開することで、各参加者の作品について話し合うための十分な時間を設けることができました。集中ワークショップの参加者は、塩田教授や他の教員からコメントや質問を受けただけでなく、参加学生が他の学生の取り組みにコメントできる機会も設けられました。こうして、参加者同士が意見を交換し、批評し合うという積極的な文化が生まれました。
公開講評会
今回の集中ワークショップでは、「エクスペリメンタル・ワークショップ」というこのプラットフォームを用いて、ご自身の作品の新しいアイデアを試される様子も拝見することができました。塩田教授がインスタレーションアートをどのように発展させていくのかを間近で見られたことに加えて、彼女自身が講評会の発表者としても参加してくれました。そのおかげで、塩田教授のアーティストとしての考え方について、オープンで洞察に満ちたディスカッションをする素晴らしい機会が生まれました。 塩田教授がクリティークで発表するための新しい作品を準備しました。
ワークショップの最終日が終わるころには、友情に溢れたチーム意識のような温かい雰囲気が漂い、このワークショップは終わりではなく、始まりに過ぎないということが実感できました。参加学生たちの作品が、今後さらに発展していくことを楽しみにしています。
塩田先生の2021年度の集中ワークショップ参加者と担当教員
■ 問合せ先 大学院美術研究科 エクスペリメンタル・ワークショップ 大学院プロジェクト ews@tamabi.ac.jp
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