2020年度より、大学院生対象の横断型プログラム「エクスペリメンタル・ワークショップ(以下、EWS)」が創設されました。「実験」という語を冠したこの試みは、学科や専攻の枠組みを超えて、学生が主体的に取り組む、国際的かつ継続的な複合プロジェクトです。特任教授として映画監督・アーティストのアピチャッポン・ウィーラセタクン教授、さらに2025年度には、パフォーマンス・アーティストのムラティ・スルヨダルモ教授を迎えました。大学院のすべての専攻の学生が受講できる、オープンで横断型なプロジェクトです。
特任教授による10日〜2週間の集中ワークショップ。日英バイリンガルで行います。
集中ワークショップのテーマに関連するオープン・レクチャー。特任講師のオンラインレクチャーや、学内外のゲスト講師を招いて行います。
EWS主任教員および担当助教による、週1回のゼミ。集中ワークショップの事前リサーチや、作品制作の準備、集中ワークショップやレクチャーシリーズのアーカイヴ化の作業を含みます。集中ワークショップの参加者を主な対象としていますが、希望者は全員聴講可能です。
Photo by Courtesy of Kick the Machine Films
1970年、タイ・バンコクに生まれ、タイ東北部イサーン地方コーンケンで育つ。チェンマイ在住。タイを代表する映画監督でありアーティストでもある。長編映画『ブンミおじさんの森』で、2010年カンヌ国際映画祭最高賞(パルムドール)受賞。
http://www.kickthemachine.com/
Berlin, 2020, Photo by Sunhi Mang
1972年、大阪府生まれ。ベルリン在住。生と死という人間の根源的な問題に向き合い、「生きることとは何か」「存在とは何か」を探求する多様な作品を制作。2008年、芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。2015年、第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館代表。2019年、森美術館にて過去最大規模の個展『魂がふるえる』を開催。
https://www.chiharu-shiota.com/
ムラティ・スルヨダルモ(1969年生、インドネシア・ソロ出身)は、身体表現を通じて忍耐力、記憶、そしてアイデンティティといったテーマを探求し続けるパフォーマンス・アーティストです。彼女の実践は、徹底した身体研究に基づき、写真、振付、映像、ライブパフォーマンスなど多様なメディアを駆使して展開されています。Kiasma美術館、MMCAソウル、Bonnefanten美術館、QAGOMAなど、世界各国の主要な美術館やフェスティバルで、離散、変容、集団的歴史をテーマとした作品を発表し、国際的に高い評価を受けてきました。また、ソロを拠点とするStudio Plesunganを創設し、実験的な芸術活動の発展にも積極的に取り組んでいます。2017年には第17回ジャカルタ・ビエンナーレの芸術監督を務め、2022年からは文化遺産とパフォーマンスを融合させたフェスティバル『Indonesia Bertutur』を主宰するなど、その活動は広がり続けています。
多摩美術大学 大学院研究室
ews@tamabi.ac.jp(専用メールアドレス)